学生の印象を教えてください。
入ってくる子は総じて真面目な子が多い印象です。これはすごく大事な事なんです。でも、心の開放とか目指すとみんなそれを理由に「さぼる」アートをやってて「真面目」なんてダメなんじゃないかなんて真面目に考えるわけですね。やる事やってて、心が不真面目。こんな感じの子がすごく伸びてくる印象がありますね。
白井さんの授業を受けた学生の反応はいかがでしょうか?
うーんどうだろうな?フロアワークってもの自体、空間で立って踊っている時とは違う視点で捉えなきゃいけないので、その違いに戸惑う子と面白がってはまる子とに分かれるかな?
ただ、習っていればいいという類のクラスではないので、積極性がないとおいてかれたような寂しい気持ちになるかも。遅れてきたり、休んだりした子は自己責任で取り戻してもらう。そこを自分で補えない子はレッスンに出てこなくなるかな。
白井さんの考える「からだ」とは何でしょうか?
感情、感覚を入れる器かな?
舞台では、ありとあらゆる感情を出し入れしなきゃいけない。それによって、その容姿も自在に変化できるのが、いい身体なんじゃないかな?でも、この自在ってのがなかなかどうして。そんなに簡単にできるわけもなく日々の鍛錬、訓練なしにはまともに扱う事すらできない、厄介な代物なんだよね。
P.A.I.の学生、これから入学を希望される方にメッセージをお願いします。
表現っていうのは心だけでも身体だけでも成立しないのです。そして、感性とは響きあうものなので、「誰から学ぶか?誰と学ぶか?」は意外と軽視する人が多いけれど、学ぶなら絶対外せない条件だと思います。10年後に「あの時出会っていれば」なんて言っても手遅れです。その辺は学校選びの基準にした方がいいんじゃないかしら?
プロフィール
7歳よりクラシックバレエを始める。82年より6年間橘バレエ学校に在籍。牧阿佐美に師事。
日本女子体育短期大学舞踊コース卒。在籍中、太田順造にパントマイムを師事。89年よりパパ・タラフマラに参加。以降国 内外の公演に出演。後身のパフォーマーのダンス指導にもあたる。
パパ・タラフマラ作品「シンデレラ」においてシンデレラ役を好演する。
フロアワーク
講師 : 白井さち子
床を使って表現の可能性をどこまでひろげることが可能なのかを、1年間通して研究していきます。また、床を使うことにより立った状態では使いにくい筋肉を効率よく使い、身体の感覚への理解を深めます。
1期◆床を使って身体運動をするにあたっての基本的な体の使い方の習得。身体をどのように捉えるか、身体の考え方、テクニックの習得方法を学ぶ。
2期◆床を使った身体表現の、発展。コンビネーション。
3期◆実際にダンス作品の中でどのように使っていくかの検証、実践。